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Archive for the ‘地域通貨’ Category

さて、スペインのバルセロナ市役所が市内における社会的連帯経済の概況について詳細な報告書を刊行しましたので、お知らせしたいと思います。こちらからダウンロードできます(カタルーニャ語)

同報告書は、主に分野別(労働者協同組合、サービス協同組合、消費者協同組合、住宅協同組合、教育協同組合、労働者持株会社、共済組合、社会的包摂企業、倫理金融、公共施設の市民管理、有機農産物の消費グループ、地域通貨や時間銀行、市民農園)、そして地区ごとに概況が紹介されています。何かのご参考になれば幸いです。

さて、フランスでは昨年7月に成立した社会的連帯経済法で、NPOや協同組合など「社会的連帯経済の担い手」による地域通貨の発行および運営が認められていますが、同国で地域通貨をさらに推進するための研究報告書が作成され、同政府の連帯経済担当に提出されました。

非常に長い報告書ですので、私も要約しか読んでいませんが、要約では以下の12の提案がフランス政府に対して行われています。

  1. 既存の事例のフォローアップと評価
  2. 地域通貨の導入ガイドの作成
  3. 並行通貨に関する公の議論の推進
  4. 地域通貨の観測所を発足
  5. 地域通貨を評価する方法を策定および試験
  6. 実現可能性の研究を開始
  7. タイムバンクに関する実践研究を開始
  8. 地域社会による富の監査をサポート
  9. 企業間バーターシステムの試験
  10. 失業者への雇用訓練の提供を目的とした地域通貨モデルの設立
  11. 地域通貨建てでの融資を試験
  12. 二酸化炭素排出権に関連した地域通貨を研究

以上、ご参考になれば幸いです。

さて、フランスではオランド政権の発足以降、社会的連帯経済の分野でさまざまな推進活動が行われていますが、その一環として地域通貨の研究プ ロジェクトが先月立ち上がったというニュースが入りましたのでお届けしたいと思います。

http://rtes.fr/Lancement-d-une-mission-d-etude?utm_medium=email&utm_campaign=Newsletter+RTES+-+Mars+2014&utm_content=Newsletter+RTES+-+Mars+2014+CID_bd7a611b8b39d1e6b98b6f9b1cacfb9c&utm_source=Newsletter+RTES&utm_term=Lire+la+suite (フランス語)

また、このニュースはリベラシオン紙でも報道されています。

http://www.liberation.fr/economie/2014/02/23/enfin-une-etude-sur-les-monnaies-qui-changent_982364 (フランス語)

これら記事によると、ブノワ・アモン社会的連帯経済担当相が、地域通貨の研究報告書を作成するチームを2月に立ち上げて、英ブリストル・ポンドを訪問するなどした後に、6月に最終報告書が出るということです。地域通貨に対してはいくつかの国で政府が積極的な姿勢を見せていますが、欧州においてここまで積極的な態度を見せた国は今までなかったことから、今後の展開が楽しみです。

さて、マイクロクレジット業務や地域通貨の発行に加えて各種研修活動などを行っているブラジルのコミュニティバンクの運営者へのインタビュー(英語)をご紹介したいと思います。

http://www.reconomy.org/community-currencies-in-brazil-interview/

ブラジルは貧しい人が多い国ですが、そういう貧しい人が住む地区で住民組織の手によりコミュニティバンクが立ち上がり、地域住民の生活向上のためにさまざまな活動を行っています。ただ、ブラジルの連帯経済関係の情報は基本的にポルトガル語でしか得られないため、この英語資料はかなり 貴重なものだと言えます。多少長いですが、英語の文章自体は読みやすいものですので、英語がある程度分かる方はご覧いただけると幸いです。

さて、ブラジル最大のコミュニティバンクで、地域通貨も発行しているパルマス銀行(北東部セアラ州の州都フォルタレザ市)は、地域住民が主体 となって運営するマイクロクレジットおよび地域通貨の事例として世界的に注目されていますが、その2012年報告書がオンラインで刊行されましたので、ご紹介した いと思います。

http://www.inovacaoparainclusao.com/uploads/4/2/2/8/4228830/relatrio_do_instituto_palmas_12.2.pdf (ポルトガル語)

同銀行は、フォルタレザ市内でも元スラム街で今でも比較的低所得者層が多 く住むパルメイラス地区で1998年に設立され(今年で15周年)、 2002年からは 地域通貨も発行していますが、この事例はブラジル国内外で注目されています。 来年はブラジルはFIFAワールドカップ(サッ カー)の開催国となりますが、この際に世界中から訪れるサポーターや新聞記者などに対してパルマス銀行を紹介し、サッカー以外のブラジルという側 面を紹介する予定です。実際、1月には元ブラジル代表のロナルドが、FIFAの事務局長とともにパルマス銀行を訪れており、同銀行への観光客の誘致を推進することで合意しています。また、現在では同様の銀行がブラジル各地に103箇所存在しています。

以下、この報告書の内容の要約です。

  • 昨年の受賞: 米国ニューヨークのコロンビア大学が開催した社会的イノベー ションおよび開発会議において、パルマス銀行の創設者ジョアキン・メロが基調講演(3月)、ドイツ・オーバーハウゼンでパルマス銀行の実践を創設すべくパルマス銀行関係者が訪独講演(4月)、サンドラ・マガリャインス(ジョアキン・メロの妻 で彼女自身もパルマス銀行の発展に多大な貢献)が地元セアラ州議会より表彰(8月)。
  • 主要業務: 地域通貨パルマの発行と管理、マイクロクレジット(50レアル (約2480円)~1万5000レアル(約74万5000円))、パルマ保険(死亡・事故保険)、銀行支店業務(大手銀行が地域内にないため、ボルサ・ファミリア(貧困家庭向けにブラジル政府が提供している子育て支援基金)や年金の受給などの 銀行サービスを提供)、携帯電話による支払い、連帯市場(地区内で生産された商品を販売するイベント、月2回開催)、各種研修など。
  • その他取り組み: コミュニティカウンセラー養成講座、バチ・パルマス(地元のバンド)キャンペーン、ファッションアカデミー(同地区には服飾関係の零細業者が多い)、地域社会経済フォーラム(地域の経済や社会の問題を住民レベルで検討する集まり)、パルマトゥル(パルマス銀行の取り組みを国内外の視察者に紹介、簡素な宿もある)
  • ELASプロジェクト(elasとはポルトガル語で彼女たちという意味): 女性の起業支援プログラム。各種研修、マイクロクレジット、共同購入による仕入れ価格の削減など。
  • パルマスラボ: 2012年に創設された研究所。ITを活用して地域内、あるいは同様のコミュニティバンク間での連絡を緊密化。
  • 指標マトリックス: サンパウロ大学および米国コロンビア大学と共同で、コ ミュニティバンクの戦略評価のための指標を作成。
  • セアラグルメフェスティバル: 高級ホテルやレストランで料理している人たちは、大部分が郊外の庶民地区に在住しているため、グルメフェスティバルで観 光客を郊外に呼び込み。

また、以下は2012年の統計データです。

  • 融資総額: 366万0991.97レアル(約1億8200万円)
  • 生産ローン融資案件数: 4479件
  • 保険対象となっている家族数: 2213家族
  • 連帯市開催回数: 18
  • 消費ローン: 230件、4万パルマ(約199万円)が流通
  • 各種研修プログラム参加者総数: 2291名

なお、23ページには2008年以降の融資総額の変遷が掲載されています。2011 年度と比べると融資案件数は減っていますが、その一方で融 資総額は増えていることから、比較的大型の融資案件が増えていることがわかります。

以上、ご参考になれば幸いです。

さて、南仏のミディ・ピレネー地方(中心都市トゥルーズ)というと、トゥルーズ市内で流通している地域通貨SOL-Violetteが有名ですが、この地方の持
続的開発局が減価する貨幣の導入を検討しているというニュースが入りましたので、お届けしたいと思います。

減価する貨幣により無利子融資を促進して、地域経済の発展を促すのが目的のようです。まず同地方通貨の準備委員会的な役割を果たすNPOを 近日中に創 設した上で、来年にも電子通貨として本格的導入をしてゆくつもりのようです。

さて、ガーディアン紙によると、英国ブリストル市の新市長が、給料を地域通貨ブリストル・ポンド建てで受け取ると宣言したようです。

http://www.guardian.co.uk/uk/2012/nov/20/mayor-salary-bristol-pounds?CMP=twt_gu

ブリストル・ポンドは昨年9月に立ち上がった地域通貨で、かなり活発に動いているようです。詳細についてはこちらでご覧いただけます(英語)。

http://bristolpound.org/

日本でもどこかの市長さんが、地域通貨で給料を受け取ると宣言するようになればいいのですが…。



  • 鶴岡達也: 初めましてこんにちは。 たまたまこちらの記事にたどり着いたのですが、地域通貨の国際大会が行われたと知
  • トラネコ (@Toraneko280): 政治が無策でも世界は手を差し伸べてくれる。大航海時代を開いたポルトガルは不思議に日本的な部分が有る。
  • ほんだ さちよ: すごくおもしろい企画ですね。わたしはベルギー在住ですが、ベルギーでも農業という形で受け入れてくれると