連帯経済情報@日本語

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さて、国際労働機関(ILO)が世界各地で開催している社会的連帯経済アカデミーですが、次回は6月26日(月)から30日(金)にかけて、韓国はソウル市で開催されることになりました。詳細は以下のパンフレットでご覧になれます。

http://socialeconomy.itcilo.org/en/files/docs/ssea-2017-south-korea-flyer-en.pdf

今回はソウルということで日本から比較的近く、また受講料も通常よりかなり安く(600ドル)なっていますので、日本からも参加できるのではないかと思います。世界各地の方と知り合いになれる機会でもありますので、ご都合がつく方はぜひご参加を検討してみてください。

フェアトレードの推進などに積極的な自治体に対してはフェアトレードタウンという認証が行われています。全世界で2280都市がある一方で、ア ジアでは2011年に熊本市が認定されただけという状況が続いていましたが、この9月に名古屋市が日本で、そしてアジアで2番目のフェアトレードタウンに 認定されたというニュースが入ってきましたので、こちらでもご紹介したいと思います。

行政がフェアトレードタウンとして認定されると、市内におけるフェアトレードの推進活動が大幅に活性化されます。他の街でもフェアトレードタウンを目指した運動が行われているようですが、日本でももっと広がることを期待してやみません。

さて、社会的連帯経済と地域開発に関する講演会が、東洋大学で開催されます。

Bouchard

GSECIP第1回セミナー
地域活性化のツールとしての社会連帯経済:
カナダ・ケベック州におけるTERRITORIAL DEVELOPMENT
講師: マリー・ブシャール ケベック大学モントリオール校(UQAM)教授

カナダ・ケベック大学モントリオール校(UQAM)教授、国際公共経済学会
(CIRIEC)社会的経済研究委員長のマリー・ブシャール教授を お招きして、英
語によるセミナー(日本語要約対応)を開催致します。日本でも地域創生が大き
くクローズアップされてます。今回は、カナダ・ケベッ ク州において社会的連
帯経済が、いかに経済・社会・市民が調和したイノベーションを実現しているか
を、地域企業へのビジネスプラン、ネットワーキ ング、教育訓練、分権化した
公共政策、資金調達と事業資金獲得方法(融資、準エクィティー、融資保証)な
どの多岐にわたって解説をして頂きます。

  • 日時: 12月1日(火) 13:30開始(13:15開場)
  • 入場料: 無料
  • 会場: 東洋大学白山キャンパス6号館2階 6203教室
  • 主宰: グローバル社会経済市民イノベーション基盤(GSECIP)
  • 連絡先: 東洋大学経済学部 今村 肇 研究室
  • e-mail: imamuraworkshop@gmail.com

平日の午後の開催で、また使用言語が主に英語なので(日本語要約はありま
すが)ちょっと参加しづらいかも知れませんが、首都圏在住でご都合が つく方
はご参加になってはいかがでしょうか。

ポルトガル憲法は、協同組合についての記述が豊富です。以下、関連部分を訳出してみました。

  • 第43条第4項
    私立学校および協同組合の創設権は、これを保証する。
  • 第60条第3項
    消費者団体および消費者生協は法律の規定に従い、政府の支援を受けたり消費者保護に関して意見を表明したりする権利を持ち、その会員あるいは一般的な利益保護において手続き面での正当性が認定される。
  • 第61条第2項
    協同組合原則が遵守される限り、万人に対する協同組合の自由結成の権利は、これを認定する。
  • 第61条第3項
    協同組合は法的枠組みの中で活動を自由に展開し、連合、連合会および総連合会あるいはその他法的に規定された組織として団結できる。
  • 第61条第4項
    行政の参加を伴う協同組合に特有の要件は、法律により定める。
  • 第65条第2項
    住宅の権利を保証するため政府には、以下の権限が与えられる。
    d) 住宅の問題解決や、住居および自主建設協同組合の創設に取り組む地域コミュニティおよび住民の取り組みの推進・支援
  • 第75条第2項
    政府は法律の規定に従って、私立および協同組合教育を認定し監督する。
  • 第80条
    経済社会組織は、以下の原則に基づく。
    b) 生産手段の保有における、公共部門、民間部門および協同組合・社会的部門の共存
    f) 生産手段の保有における協同組合・社会的部門の保護
  • 第82条第4項
    協同組合・社会的部門はとりわけ、以下のものを含む:
    a) 協同組合原則を遵守した協同組合により保有・運営される生産手段。しかしながら、その特別な性格により正当化される行政参加型協同組合については、法律で定められる特性の範囲が考慮される
    b) 地域社会が保有および運営する、地域の生産手段
    c) 労働者による集団での使用対象となる生産手段
    d) 非営利で、社会連帯とりわけ共済団体を主要目的とする集団により保有・運営される生産手段
  • 第85条第1項
    政府は協同組合の創設および活動を推進・支援する。
  • 第85条第2項
    協同組合の税務面・財務面での特典、融資取得のための最恵条件および技術支援については、法律により定める。
  • 第94条第2項
    (第94条1項の規定に従って大地主から)収用された土地は法律の規定に従って小農家に、そして優先的に家族農業、農村労働者協同組合あるいは小規模農家 などの労働者による土地活用形態による所有あるいは留保向けに引き渡される。しかしながらこれは、所有権の完全移譲前に各土地の利用における有効な試用期 間および合理性を損ねるものではない。
  • 第95条
    所有権に関わらず政府は法律の規定に従って、とりわけ協同組合といった形態における構造的あるいは純粋に経済的な統合向けの特に法的・税務的および信用供 与面でのインセンティブを通じて、あるいは土地区画の統合を通じて、農業政策の目的の観点から適切な規模未満である農業単位の再構成を推進する。
  • 第97条第1項
    農業政策の目的の追求において政府は、特に家族農業単位で個別に、あるいは協同組合の組合員として統合された中小農家や、農業労働者協同組合、およびその他の形態の労働者による経済活動を、優先的に支援する
  • 第97条第2項
    政府の支援には特に以下のものが含まれる:
    d) とりわけ彼らによる生産・消費・販売・加工およびサービス協同組合、またその他労働者によるその他の形態の経済活動のための協同組合の結成において、農村労働者および農民の結社の推進
  • 第165条第1項
    政府に別途権限が与えられていない限り、以下の案件に関しては国民議会が法律制定の独占権限を持つ。
    x) 所有物についての協同組合・社会的部門に統合された生産手段に関する制度
  • 第288条
    憲法改正の際には、以下の点を尊重しなければならない:
    f) 生産手段の保有における公共部門、民間部門および協同組合・社会的部門の共存

個人的には、ここまで詳細を憲法に書く必要があるかどうかはわかりませんが、少なくても世界的に見て、ここまで協同組合に関する記述が多い憲法は珍しいものと思います。なお、ポルトガルにおける社会的連帯経済の状況については、こちらで日本語でまとめています。また、同国で2013年に可決した社会的経済基本法についても、こちらで日本語でまとめています(スペインなどの類似の法律を比較)。

ラテン系の国は一般的に英語が通じにくい傾向にありますが、例外的にポルトガルは英語に堪能な人が多く、特に視察レベルであれば英語だけで問題なく訪問をこなすことができるかと思います。ポルトガルと日本との間では16世紀に交流が盛んに行われたものの、現在は下火になっていますが、ご参考になれば幸いです。

さて、今回は東南アジア方面から面白いニュースが入ってきましたので、これについてお知らせしたいと思います。東南アジアでは2007年より、フィリピンやマレーシアを中心として連帯経済関係の活動が進んでいますが、その関係者により報告書が作成されました(英語)。

http://www.ripess.org/wp-content/uploads/2015/06/FOSTERING-AN-ASEAN-latest.pdf

最近の潮流として、ASEANの経済発展の道具の一つとして連帯経済、特に社会的企業の推進を模索する動きがありますが、それに焦点を当てた内容になっています。ご参考になれば幸いです。

さて、フランスでは昨年7月に成立した社会的連帯経済法で、NPOや協同組合など「社会的連帯経済の担い手」による地域通貨の発行および運営が認められていますが、同国で地域通貨をさらに推進するための研究報告書が作成され、同政府の連帯経済担当に提出されました。

非常に長い報告書ですので、私も要約しか読んでいませんが、要約では以下の12の提案がフランス政府に対して行われています。

  1. 既存の事例のフォローアップと評価
  2. 地域通貨の導入ガイドの作成
  3. 並行通貨に関する公の議論の推進
  4. 地域通貨の観測所を発足
  5. 地域通貨を評価する方法を策定および試験
  6. 実現可能性の研究を開始
  7. タイムバンクに関する実践研究を開始
  8. 地域社会による富の監査をサポート
  9. 企業間バーターシステムの試験
  10. 失業者への雇用訓練の提供を目的とした地域通貨モデルの設立
  11. 地域通貨建てでの融資を試験
  12. 二酸化炭素排出権に関連した地域通貨を研究

以上、ご参考になれば幸いです。

さて、中国の社会的企業および社会的影響投資についての報告書を見つけましたので、ご紹介したいと思います。

この報告書では、 中国に以前から存在している福利企業(障碍者を雇用することにより税制面での優遇などを受けられる企業)の概念を社会的企業に発展させる提案や事例集、社会的影響投資、そして社会的企業の今後の展望につい て述べられています。中国については情報がまだまだ少ないので、ご参考になれば幸いです。



  • 鶴岡達也: 初めましてこんにちは。 たまたまこちらの記事にたどり着いたのですが、地域通貨の国際大会が行われたと知
  • トラネコ (@Toraneko280): 政治が無策でも世界は手を差し伸べてくれる。大航海時代を開いたポルトガルは不思議に日本的な部分が有る。
  • ほんだ さちよ: すごくおもしろい企画ですね。わたしはベルギー在住ですが、ベルギーでも農業という形で受け入れてくれると