連帯経済情報@日本語

協同組合についての記述が非常に多いポルトガル憲法

Posted on: 7月 21, 2015

ポルトガル憲法は、協同組合についての記述が豊富です。以下、関連部分を訳出してみました。

  • 第43条第4項
    私立学校および協同組合の創設権は、これを保証する。
  • 第60条第3項
    消費者団体および消費者生協は法律の規定に従い、政府の支援を受けたり消費者保護に関して意見を表明したりする権利を持ち、その会員あるいは一般的な利益保護において手続き面での正当性が認定される。
  • 第61条第2項
    協同組合原則が遵守される限り、万人に対する協同組合の自由結成の権利は、これを認定する。
  • 第61条第3項
    協同組合は法的枠組みの中で活動を自由に展開し、連合、連合会および総連合会あるいはその他法的に規定された組織として団結できる。
  • 第61条第4項
    行政の参加を伴う協同組合に特有の要件は、法律により定める。
  • 第65条第2項
    住宅の権利を保証するため政府には、以下の権限が与えられる。
    d) 住宅の問題解決や、住居および自主建設協同組合の創設に取り組む地域コミュニティおよび住民の取り組みの推進・支援
  • 第75条第2項
    政府は法律の規定に従って、私立および協同組合教育を認定し監督する。
  • 第80条
    経済社会組織は、以下の原則に基づく。
    b) 生産手段の保有における、公共部門、民間部門および協同組合・社会的部門の共存
    f) 生産手段の保有における協同組合・社会的部門の保護
  • 第82条第4項
    協同組合・社会的部門はとりわけ、以下のものを含む:
    a) 協同組合原則を遵守した協同組合により保有・運営される生産手段。しかしながら、その特別な性格により正当化される行政参加型協同組合については、法律で定められる特性の範囲が考慮される
    b) 地域社会が保有および運営する、地域の生産手段
    c) 労働者による集団での使用対象となる生産手段
    d) 非営利で、社会連帯とりわけ共済団体を主要目的とする集団により保有・運営される生産手段
  • 第85条第1項
    政府は協同組合の創設および活動を推進・支援する。
  • 第85条第2項
    協同組合の税務面・財務面での特典、融資取得のための最恵条件および技術支援については、法律により定める。
  • 第94条第2項
    (第94条1項の規定に従って大地主から)収用された土地は法律の規定に従って小農家に、そして優先的に家族農業、農村労働者協同組合あるいは小規模農家 などの労働者による土地活用形態による所有あるいは留保向けに引き渡される。しかしながらこれは、所有権の完全移譲前に各土地の利用における有効な試用期 間および合理性を損ねるものではない。
  • 第95条
    所有権に関わらず政府は法律の規定に従って、とりわけ協同組合といった形態における構造的あるいは純粋に経済的な統合向けの特に法的・税務的および信用供 与面でのインセンティブを通じて、あるいは土地区画の統合を通じて、農業政策の目的の観点から適切な規模未満である農業単位の再構成を推進する。
  • 第97条第1項
    農業政策の目的の追求において政府は、特に家族農業単位で個別に、あるいは協同組合の組合員として統合された中小農家や、農業労働者協同組合、およびその他の形態の労働者による経済活動を、優先的に支援する
  • 第97条第2項
    政府の支援には特に以下のものが含まれる:
    d) とりわけ彼らによる生産・消費・販売・加工およびサービス協同組合、またその他労働者によるその他の形態の経済活動のための協同組合の結成において、農村労働者および農民の結社の推進
  • 第165条第1項
    政府に別途権限が与えられていない限り、以下の案件に関しては国民議会が法律制定の独占権限を持つ。
    x) 所有物についての協同組合・社会的部門に統合された生産手段に関する制度
  • 第288条
    憲法改正の際には、以下の点を尊重しなければならない:
    f) 生産手段の保有における公共部門、民間部門および協同組合・社会的部門の共存

個人的には、ここまで詳細を憲法に書く必要があるかどうかはわかりませんが、少なくても世界的に見て、ここまで協同組合に関する記述が多い憲法は珍しいものと思います。なお、ポルトガルにおける社会的連帯経済の状況については、こちらで日本語でまとめています。また、同国で2013年に可決した社会的経済基本法についても、こちらで日本語でまとめています(スペインなどの類似の法律を比較)。

ラテン系の国は一般的に英語が通じにくい傾向にありますが、例外的にポルトガルは英語に堪能な人が多く、特に視察レベルであれば英語だけで問題なく訪問をこなすことができるかと思います。ポルトガルと日本との間では16世紀に交流が盛んに行われたものの、現在は下火になっていますが、ご参考になれば幸いです。

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  • 鶴岡達也: 初めましてこんにちは。 たまたまこちらの記事にたどり着いたのですが、地域通貨の国際大会が行われたと知
  • トラネコ (@Toraneko280): 政治が無策でも世界は手を差し伸べてくれる。大航海時代を開いたポルトガルは不思議に日本的な部分が有る。
  • ほんだ さちよ: すごくおもしろい企画ですね。わたしはベルギー在住ですが、ベルギーでも農業という形で受け入れてくれると
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