連帯経済情報@日本語

連帯経済についてのフィリピンの方の短い記事

Posted on: 6月 2, 2011

アジア連帯経済フォーラムの設立者であり、アジア社会的責任中小企業連合(CSRSME Asia)の理事長でもあるベンジャミン・キニョネス氏(Benjamin Quiñones, フィリピン)が書いた文章を和訳しましたので、お届けいたします。

どちらかというと非資本主義的な傾向の強い中南米の連帯経済運動と比べると、アジアの連帯経済の運動はあくまでも資本主義の枠内で社会や環境といった価値観を重視するという違いがあるように思えますtが、ご参考になれば幸いです。

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人々、地球、利益 – 連帯経済の推進
ベンジャミン・キニョネス (Benjamin Quiñones)

何よりも3つの原則を大切にする経済のひとつが、「連帯経済」と呼ばれるものです。

連帯経済の枠組みを推進する人たちは、人々の尊厳や地球環境のバランスを保つことが社会や経済の進展において何よりも大切な目的である一方、社会の中で各個人がわがままな形で経済的利益を追求しているようではこの目的は達成できないと確信しています。このわがままのために弱者(貧困者あるいは失業や資本を持たない人たち)が周辺に追いやられ、社会的疎外や環境破壊が起きているのです。

個人はお互いに助け合い、集団としてより素晴らしくよく美しい世界を創造してゆかなければなりません。 進歩する社会、健やかな環境および持続可能な業務手法という3つの側面におけるバランスを重視するという目的を支援する製品やサービス向けに、新たな市場を作ることは可能です。

連帯経済の核を成すのは社会的企業ですが、これは3つの側面を重視するという使命を持った組織です。ここから、数多くの社会的企業が共同でサプライチェーンを築き上げ、政府や自治体、民間企業、市民社会やその他地域社会の部門を含む外部セクターと共同で、さまざまな製品やサービスをマクロ経済モデルに組み合わせることができます。

このモデルを拡大することで、団結力と成長力があり持続可能なグローバル企業へとさまざまなサプライチェーンを統合するメガシステムが生み出されます。この一例としては、砂糖工場の労働者らが自分たちの資源を集めて、フィリピン・ネグロス島農村部で協同組合を結成し、放棄された砂糖プランテーションを運営した例が挙げられます。地域社会、教会および自治体の協力により無農薬サトウキビの植え付け、手作業での収穫、サトウキビの絞り汁の抽出および煮炊きによる濃縮、そして太陽で天然乾燥させ未処理で湿気があり、自然のミネラル分全てを保ったムスコバード砂糖を製造するという幅広い作業を実現することができました。これら活動により、家を失った農民や労働者への雇用が生まれたのです。

この協同組合が地元や国外のマーケティンググループと連携すると、サプライチェーンを作り上げることができます。欧州の消費者はムスコバードの砂糖の代金を一部、機械やパッケージ、そして生産装置で支払うことにより、ムスコバードの製品を国際基準に引き上げることができます。ネグロス島農村部のサトウキビ農家や労働者はこれにより欧州のマーケティングや技術、および機械の専門家と、互恵的経済関係のもとでつながることができます。これにより当然のことながら地域社会は、物乞いをすることなく貧困を撲滅でき、人間としての尊厳を高めた上で、以前は見捨てられていたプランテーションだった土地の生産性も向上できるのです。

社会的企業の使命は多様です。貧困のみならず、他の種類の社会的疎外の撲滅に寄与することができます。代替エネルギーを追求することにより、環境問題にも貢献できます。また、精神面での発展、あるいは高齢者介護のような社会的関心にも適用できます。

社会的企業と慈善団体との間には大きな違いがあります。慈善団体やNPOは運営費用を賄う上で寄付に依存していますが、社会的企業はビジネスモデルを用いて資源を、付加価値が加わった作業に向けて活用することができます。また、数多くの慈善団体やNPOが社会的企業へと変化していることも指摘すべきでしょう。多くの場合、寄付の減少によりこれら慈善団体やNPOは、業務継続のために社会的企業に変身する必要性に迫られています。

社会的企業は、自らの社会的使命を維持するために利益を追求することができます。その一方で通常の企業は、株主の利益を維持するために経済的利益を追求します。このような動機がある一方で社会的企業家は往々にして他の社会的企業家と共同でサプライチェーンを開発するために協力をすることができず、通常の利益追求型経済との取引に満足しています。このような利益追求型経済に飲み込まれてしまった社会的企業の例としては、信用組合が挙げられます。先進国では信用組合は、その顧客の間でさえ社会的企業を創造および維持することができていないのです。

連帯経済の推進者は、社会的企業家に対して協力型業務関係の構築という課題に取り組まなければなりません。社会的企業家は相互に業務を行い、お互いの経験から学び合わなければなりません。

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これは、アジア教会文化研究所のベンジャミン・キニョネスによる”SA GANANG AMIN”であり、現在における課題に対する回答としての視点や意見をお届けいたします。

——– ベンジャミン・キニョネス(Benjamin R. Quiñones, Jr)はアジア教会文化研究所(ISACC)のフェローであり、アジア連帯経済フォーラム(ASIAN FORUM FOR SOLIDARITY ECONOMY)の推進者のうちの一名です。彼は、アジア社会的責任中小企業連合(CSRSME Asia)の理事長です。ウェブサイト: http://aa4se.com/2011/03/

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    • 鶴岡達也: 初めましてこんにちは。 たまたまこちらの記事にたどり着いたのですが、地域通貨の国際大会が行われたと知
    • トラネコ (@Toraneko280): 政治が無策でも世界は手を差し伸べてくれる。大航海時代を開いたポルトガルは不思議に日本的な部分が有る。
    • ほんだ さちよ: すごくおもしろい企画ですね。わたしはベルギー在住ですが、ベルギーでも農業という形で受け入れてくれると
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