連帯経済情報@日本語

Archive for 4月 2011

(現在鋭意翻訳中です。全文ができるまで、今しばらくお待ちください)。

原文(スペイン語): http://www.boe.es/boe/dias/2011/03/30/pdfs/BOE-A-2011-5708.pdf

前文(翻訳中)

1: 目的

この法律は、社会的経済を構成する団体全てに対して、それぞれに適用される具体的な規則を完全に尊重した上で共通の法的枠組みを制定することに加え、これら団体に固有の目的および原則を考慮して、これら団体のためになる推進措置を規定することを目的とする。

2: 概念および名称

社会的経済とは、民間部門において、第4条にまとめられている原則に従って団体が、構成員への全体利益に加えて経済的利益一般、あるいはその両方を追求する一連の経済・企業活動を指す。

3: 適用範囲

この法律は、スペイン国内において活動を行う社会的企業の団体全てに適用される。ただし、各自治州が持つ権限を侵害するものではない。

4: 方針原則

社会的経済の団体は、以下の方針原則に従って行動する。

a) 資本よりも人間および社会的目的が優越。これは、各個人の出資額よりも個人が団体に対して提供する職務および労働貢献、あるいは社会的目的が意思決定においてより重要視される、透明で民主的そして参加型の自主運営で具現化される。

b) 原則として団体の社会的目的に向けて組合員あるいは会員が実施した業務あるいは活動に応じた、経済活動の成果の配分。

c) 内部連帯、地域発展への取り組みを推奨する団体との連帯、男女機会平等、社会的紐帯、社会的疎外の危機にある個人の包摂、安定して良質の雇用の創造、個人生活・家族生活・業務生活および持続可能性との調和の推進。

d) 行政からの独立。

5: 社会的経済の団体

1. 社会的経済を構成するのは、経済活動を実施する協同組合、共済組合、財団および非営利団体に加え、労働者会社*、包摂企業(訳注:失業中の若者や障害者など、雇用が得られにくい人たちに対しての雇用創出を目的とした企業)、雇用センター、漁業組合、農業組合、そして前条で規定された原則に制御される独自の規定を持った団体である。
* スペイン独自の制度で、企業の従業員がその企業の株の過半数を共有した場合に適用される。法律上は従業員AおよびBが同社の株のうち3分の1をそれぞれ保有する場合にもこの制度が適用されるが、実際にはほとんどの場合、全従業員が同じ株数を持つことにより従業員間の平等を達成している。

2. また、業務規則が前条で規定された原則に対応し、この法律の第6条で規定されている団体一覧に含まれる形で企業経済活動を行う団体も、社会的経済を構成する。

3. いずれの場合でも、社会的企業の団体は、独自の規定によって運営される。

6: 社会的経済の団体一覧

社会的経済推進評議会からの通告を受けて労働移民省は州政府と共同で、さまざまな種類の社会的経済の構成団体の一覧を作成および更新する。この際にこの法律で規定された原則に配慮し、州における既存の一覧と調整を行う。

社会的経済の団体一覧は公開されなければならない。公開は電子的手段を通じて実施される。

7: 組織と代表

1. 社会的経済の団体は、その利益を代表および擁護するために連盟を構成することができる。これら連盟は独自の規則で、あるいは結社の権利を管轄する3月22日の組織法第1/2002号に従って結成できる。

2. 全国異業種代表連合は、以下の要件を満たすものとする:

a) 少なくとも、この法律の第5条で定められた団体の過半数の種類を含む。

b) この連合がa)の要件を満たす場合、直接加盟、あるいは代表手続きを行う異業種連合への中間組織を通じて、全企業あるいは団体の少なくとも25%を代表する。

c) 当該の連合が含み、第5条で規定された団体の種別のうち少なくても過半数において、代表手続きを行う異業種連合への加盟を通じて、各部門の全企業あるいは団体の少なくとも15%を代表する。ここでの代表手続きは、a)およびb)の要件を満たす連合への代表手続きを意味する。

3. 全国を代表する異業種連合は、スペイン政府一般行政局の中でも経済的および社会的利害に影響する問題を担当する制度参加組織に代表を送る。同様にして、社会的経済の団体の大部分を包括する全国団体は、その法的性格および活動に適切な全ての代表活動分野において、一般行政局の組織に代表を送る。

4. また、各州を代表する組織、連合および連盟も各州政府が規定する形で、州政府の行政の中でも経済的および社会的利害に影響する問題を担当する制度参加組織に代表を送る。

8: 社会的経済の推進と普及

1. 社会的経済の団体およびその代表組織の推進、支援および発展は、一般的な利益として認定される。

2. 各権限の範囲内において行政は、社会的経済の推進を目的とした政策を実施する。それらには、以下のものが含まれる。

a) 社会的経済の団体の経済活動の開始および発展を妨げる障害の除去。この目的で、社会的経済の団体創設のための行政手続きの簡素化に特別な配慮が行われる。

b) 社会的経済のさまざまな取り組みの推進。

c) 社会的経済の原則および価値観の推進。

d) 社会的経済の団体の枠内における人材育成および職務再適応の推進。

e) 社会的経済の団体の企業家に対し、技術・組織革新のプロセスへのアクセスを簡素化。

f) 社会的経済の枠組みにおいて、経済的・社会的取り組みの発展を促す環境を構築。

g) 失業、女性、若者および長期失業によりとりわけ影響を受けている部門を特に支援する目的で、雇用の積極的政策に社会的経済の団体を関与させる。

h) 教育計画のさまざまな段階において、社会的経済への言及を行う。

i) 地域発展、依存および社会的統合などの分野において、社会的経済の発展を促進する。

3. この法律の実施のためにスペイン政府は労働移民省を通じて一般的に、その領域において社会的経済の推進・普及および人材育成の活動の実施を行う。ただしこれは、経済・企業および社会的活動の関係において、社会的目的の達成のために社会的経済の団体を発展させる他の官庁の権限を損なうものではない。

4. 社会的経済の推進活動の発展において、州政府の権限が尊重される。社会的経済の推進活動の発展のために州政府と共同で、協力に必要な機構がスペイン政府から推進される。

9: 社会的経済促進評議会

1. 社会的経済促進評議会はこの法律の規定に従って、社会的経済に関連した活動に対する諮問・助言期間として運営される。これは労働移民省を通じて一般行政局に統合されるが、一般行政局の階層構造に組み入れられるものではない。これは、社会的経済と一般行政局の協力・調整および対話の組織として活動する。

2. 付与された権限およびこの法律の範疇に従い、同評議会は以下の機能を持つ:

a) 社会的経済の団体に影響を与えるあらゆる法令上の規定に関して通告し、プロジェクトの作成に協力する。

b) 労働移民省およびその他の官庁から要請された場合には、報告書を作成する。

c) 前述の報告書の作成後にこの法律の第6条に基づき、労働移民省の社会的経済の団体一覧の作成および更新に協力する。

d) 社会的経済の発展および推進のプログラムを通知する

e) 社会的経済に影響を与える問題点に関して、そして特に社会的経済の啓蒙活動、行政機構の存在および国際的展開に関して、研究および報告書を作成する。

f) この法律の方針原則の推進および尊重を監視する。

g) この法律の付加条項第1条の規定に従い、社会的経済の団体の統計情報の措置の採用において、報告書を作成する。

h) その他、法令の規定により付与される機能および権限。

3. 社会的経済促進評議会は、一般行政局、各州政府行政局、地域を最も代表する組織連合、全国を代表する業界間連合、および前述の業界間連合に代表が存在せず、この法律の第5条で言及されている社会的経済の過半数の分野の団体、最も代表的な労働組合、そして社会的経済の範疇で労働移民省が任命する5名の著名人から構成される。

4. 社会的経済促進評議会の議長は、スペイン政府雇用局長とする。

5. 同評議会の機能および構成は規制を受ける発展の対象となり、公共行政および共通行政手続きの法的制度に関する11月26日の法律第30/1992号および一般行政局の組織および機能に関する4月14日の法律第6/1997号で結成される組織に関する規定で調整される。

付加条項(翻訳中)

かなり情報を伝えるのが遅れてしまいましたが、スペインで去る3月17日に社会的経済法が可決・施行されました。

条文(スペイン語): http://www.boe.es/boe/dias/2011/03/30/pdfs/BOE-A-2011-5708.pdf

現在、条文を日本語に翻訳中(作成中の訳文はこちらを参照)ですが、とりあえず概要を示したいと思います。

前文: やたらと長いが、欧州諸国などにおける社会的経済の歴史や法律の内容について解説しているものなので、特に重要ではない。

第1条: この法律の目的(社会的経済の構成団体や、政府としての支援について)
第2条: 定義。社会的経済について、「民間部門において、第4条でまとめられている原則に従って、構成員全体の利益に加えて経済的利益一般、あるいはその両方を追求する一連の経済・企業活動」と定義。
第3条: 法律の適用範囲: スペイン全土。
第4条: 原則。a)人間や社会的目的が資本に優先、透明で民主的なけいえいなど。b)基本的に働きに応じた賃金制度。c)内部での連帯、地域発展、男女平等、尊厳のある雇用など。d)公共部門からの独立。
第5条: 社会的経済の担い手。協同組合、財団、共済組合、NPOに加え、普通の民間企業であっても第4条の原則で機能しているものであれば社会的経済の担い手として認められる。
第6条: 労働移民省は、社会的経済の担い手についての一覧表を作成し、随時更新する。
第7条: 業界団体の編成について。
第8条: 社会的経済の推進と普及についての行政の政策について。障害の除去、人材養成、社会的経済を推進する環境づくり、失業者などの関与、
第9条: 社会的経済推進評議会についてと、その役割。社会的経済についての報告書作成、プロジェクトや法制度などついて社会的経済の担い手に報告など。

追加条項もありますが、法令とは直接関係ないので、とりあえず省略いたします。連休中には本文を訳出したいと思いますので、それまで今しばらくお待ちくださいませ。

10月17日(月)から20日(木)にかけてカナダ・モントリオールで開催される第1回国際社会的連帯経済フォーラムのプログラムが発表されましたので、ご紹介したいと思います。

プログラム(英語): http://www.fiess2011.org/wp-content/uploads/2010/10/Programme_cadre-FIESS-2011_ANG_-M-L-2.pdf

以下、概要を示します。

10月17日(月): 日中はフィールド視察。18時に開会式。
フィールド視察:以下のプログラムから1つを選択(参加費無料)
– コミュニティラジオと公共政策開発
– 先住民プレフォーラムイベント(ケベック州にも先住民がいるので、その 関係のイベント)
– 女性と社会的経済
10月18日(火): 午前中(09:00~12:30)は全体会。その後昼食中に講 演があり、ワークショップA(14:30~16:00)、ワークショッB(16:30~18:00)、その後夕食
10月19日(水): 09:00~10:15は全体会、その後ワークショップ C(10:45~12:15)、昼食中の講演(火曜日と同じ感じ)、ワークショップD(14:30~16:00)、ワークショップE(16:30~18:00)、その後夕食
10月20日(木): 一日ずっと全体会。

ワークショップの詳細(英語): http://www.fiess2011.org/en/program/workshops/

参加費用(350カナダドル: 30歳以下の参加者は250カナダドル、18日~20日の朝食および昼食費用、17日のフィールド視察費用などを含む。なお、6月25日以降に申し込むと500カナダドル(30歳未満は350ドル)になる)

なお、参加申し込みはこちらで可能です(宿泊先の手配も可能)。

http://www.fiess2011.org/en/registration/

自然エネルギーやNPOバンクなどの面で有名な田中優さんが4月2日(土)に福岡市内で講演を行いましたが、そのようすがネット上に公開されています。

http://www.ustream.tv/recorded/13766187

放射能汚染が広がってゆく一方の状況を不安視していたのですが、その状況を逆手に取ったプロジェクトまで紹介されるという非常に良い内容で、感激しました。報道によると、少なくても東京電力と東北電力の管内では発電と送電を分離する(=新規発電事業者の参入の余地ができる)ことを検討し始めたということですが、これにより日本でも原発信仰が崩れ、自然エネルギーへの移行を進めてもらいたいものです。

また、連帯経済の観点からも、この講演は非常に参考になるものだと思います。電気やガソリンなどを外国や大企業から買うのではなく、自分たちで作ってゆく運動を展開してゆくことで、それだけ自律した地域社会を作ることができるようになります。特に、このビデオで紹介されている菜種油プロジェクトをうまく活用できれば、放射能汚染により通常の農業ができない地域でも農業を続け、それなりの金銭的収入が得られるので、被災地支援にもつながると言えます。このような新しいプロジェクトを、何とかして作ってゆきたいものです。



  • 鶴岡達也: 初めましてこんにちは。 たまたまこちらの記事にたどり着いたのですが、地域通貨の国際大会が行われたと知
  • トラネコ (@Toraneko280): 政治が無策でも世界は手を差し伸べてくれる。大航海時代を開いたポルトガルは不思議に日本的な部分が有る。
  • ほんだ さちよ: すごくおもしろい企画ですね。わたしはベルギー在住ですが、ベルギーでも農業という形で受け入れてくれると